1.サテライトオフィスとは
サテライトオフィスとは都市部に拠点を構えている企業などが、遠隔地に設置するオフィスのことです。本拠を中心に、衛星(サテライト)のように存在するという意味があります。
働き方改革以降、テレワーク(リモートワーク)が一般化しましたが、サテライトオフィスは本社(本拠)とは異なる自宅や営業先に近い場所に設置することで、テレワークで活用されています。
サテライトオフィスには設置場所によって都市型、郊外型、地方型がありますが、とくに郊外型や地方型は、住まいと職場を近づける「職住近接」の実現にも一役買うとして注目を集めています。郊外型や地方型のサテライトオフィスであれば、本社まで通うことがなく、職住近接で働くことが可能となります。
ちなみに、本社以外に置く拠点という意味では支社や営業所もありますが、サテライトオフィスとの違いとしては企業の利便性に重点を置いているのか、社員の利便性に重点を置いているのか、という違いがあります。
企業側の利便性を優先して本社と同等の機能を有する支社や営業所に対し、サテライトオフィスは社員の多様な働き方を支援するための場所となっています。
総務省「令和2年通信利用動向調査の結果」によると2020年はコロナ禍の影響で在宅勤務が増えたこともあり、やや減少しましたが、2019年はサテライトオフィスを導入した企業は16.4%となっています。
2.サテライトオフィスの3つのタイプと特徴
サテライトオフィスは設置するエリア、タイプにより目的が異なります。タイプ別にサテライトオフィスの特徴を解説します。
都市型サテライトオフィス
都市部に置くタイプのサテライトオフィスです。営業などで外出しながら働く社員や、より自宅に近い場所で働きたい人、気分転換を図りたい人などにとって便利なスペースとなります。
都市型の場合は営業などの移動の間に寄ってWeb会議に参加したり、資料を調べたりすることができ、時間を有効に使えることが魅力です。
郊外型サテライトオフィス
ベッドタウンがある都市近郊の駅近に設置されることが多く、職住近接を実現したいときに便利です。
職住近接が実現できるといざというときに自宅に戻りやすいので、子育てや介護などがある家庭の人にとっても安心して働けます。通勤時間を短縮することでワークライフバランスも実現ができ、優秀な社員の離職を防ぐこともできます。
地方型サテライトオフィス
都心から離れ環境を変えて働くことができるオフィスで、地方への人の流れを創出できることから、総務省でも都心の企業に対し、地方でのサテライトオフィスを体験できる機会を設けるなどの支援をしています。
オフィスの周囲は自然環境がよく、仕事の合間にリフレッシュするのに最適です。Iターン、Uターンを希望する社員にも対応ができ、さらには合宿研修に利用することもできます。従来は雇用が難しかった地方在住の人材が、サテライトオフィスの活用により採用が可能となるのもメリットです。
現在、地方には空き家となっている施設やビルも多く、サテライトオフィスとして有効活用したい地方自治体が多数ありますが、都心と比べて低価格で設置できるのも魅力となっています。
利用形態では「専用型」と「共用型」サテライトオフィスに分けられる
サテライトオフィスはスペースの利用方法には、専用型と共用型の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
専用型
専用型はフロアまたは個室を、企業、グループ、個人で占有するスタイルのサテライトオフィスです。自社の従来のオフィスとは別の場所に設置する場合と、事業所の中に社内サテライトオフィスを置く場合があります。想定される利用人数が多いときは専用型が便利です。
専用型は自社の社員だけが使用するため作業に集中しやすく、機密性が保たれやすくなります。一方、設備などは自社で整え、運営も行わなくてはいけません。
共用型
共用型は自社や個人の専用ではなく、複数の企業や個人が同じ空間を共有するオフィスです。コワーキングスペースなどのようなシェアオフィスのサービスと会社が契約し、社員が自由に利用できるようにするスタイルをとります。想定される利用人数が少ないときに適しています。
他社と同じスペースを使用することから重要書類などが広げにくいというデメリットはありますが、自社でオフィス環境を整える必要がなく、手軽に利用できるのがメリットです。また、他社の利用者とネットワークを広げられるというメリットもあります。
TKPのサテライトオフィスでも専用型として利用できるレンタルオフィスと、共用型として利用ができるコワーキングスペースを用意しています。利用人数や利用目的に合わせて検討してみてください。
3.サテライトオフィスを導入するメリットや課題
サテライトオフィスは社員だけではなく企業側にとってもメリットがあります。そこで、企業側から見たサテライトオフィス導入のメリットを紹介します。合わせてデメリットも紹介しますので導入の際の参考にしてください。
メリット
サテライトオフィスを導入した場合には以下のようなメリットが考えられます。
コスト面
都市部にある賃料が高いオフィスのフロア面積を縮小し、賃料が安い地方や郊外にサテライトオフィスを設置して一部機能を移転させればコストを削減できます。また、以下のようなコストも削減できます。
- 職住近接により、社員の交通費などのコストを削減
- 業務効率化など、残業を減らすことでのコスト削減
- 顧客の近くにサテライトオフィスを設置することで、移動コストの削減
人材面
多様な働き方を実現することで、育児や介護、通勤ストレスなどにより人材が流出することを防ぎます。また、地方での人材登用にも活用できます。
生産性
通勤や営業などの移動時間を仕事に充てることが可能です。また、社員にとっては通勤ストレスなどがないことからパフォーマンスが向上し、結果として会社の収益向上につながります。在宅ワークと比較した場合、仕事に集中できる環境が整っているという利点があります。
リスク回避(BCP対策)
本社とは全く別の地方へサテライトオフィスを設置することで、災害リスクへの備えが可能となります。例えば、東京都心が災害に見舞われ本社の機能がストップしそうになった場合、すべての機能をサテライトオフィスに切り替えれば、業務がストップしなくて済みます。
課題やデメリット
サテライトオフィスのデメリットとしては、オフィスが分散するために社員同士のコミュニケーションが不足する点があります。また、上司にとっては部下の仕事の状況が見えにくく、順調に業務が進んでいるのか、トラブルが発生していないのかなどが見えにくくなりやすいという点があります。
上司から部下への評価も成果物に対してしか与えられず、部下にとっては業務の過程や勤務態度などが評価されずに不満が貯まりやすくなります。
さらに、セキュリティについて考えなくてはいけないこともあります。在宅ワークでも同様なことがいえますが、テレワークで個人のパソコンを使用した場合はセキュリティが甘いために、情報流出につながることがあります。
そこで、遠隔地で仕事をしていても適切な労務管理や人材評価ができるシステムの構築や、情報セキュリティに関するシステムとルール作りを完備することが大切です。
4.サテライトオフィス設置のポイント
サテライトオフィスの導入では、上述のようにコスト削減につながることがある一方、フロアなどを借りる際に初期費用や手間がかかります。また、オフィスを分散することで別々にかかるコストもあります。できるだけコストと手間をカットしてスムーズにサテライトオフィスを設置するためのポイントや、利用したいサービス・制度などを紹介します。
賃料やICT環境などサテライトオフィス設置にはコストがかかる
自社以外の施設やビルのフロアを借りてサテライトオフィスを設ける場合には、以下のようなコストがかかります。
- ・賃料、敷金、礼金、更新料
- ・デスクやコピー機などのオフィス用家具および機器のレンタル料・購入費
- ・ICTの環境整備費(セキュリティにかかる費用を含む)
- ・水道光熱費や清掃費などのランニングコスト
賃料については、都市型のサテライトオフィスの場合にはより高くなります。一方、上述のように郊外型や地方型の設置については賃料の高い都市部の本社を縮小させることにより、むしろコストカットにつなげることも可能です。
そこで、実施した場合の本社とサテライトオフィス全体で予測されるコストを割り出してみることが大切です。また、社員の働き方を変える上での「交通費削減」「業務効率の向上」「地方の優秀な人材を雇用」などのメリットと、サテライトオフィス設置にかかるコストや手間とを比較し、実施の有無を決定することもポイントとなります。
レンタルオフィスやコワーキングスペースを活用すれば設置がスムーズに
サテライトオフィスの設置にはコストがかかる上、好立地のスペースを探して賃貸契約をし、設備を整えていくのはかなり手間がかかるものです。
そこで、コスト削減と設置の手間を削減するために、レンタルオフィスやコワーキングスペースの利用も考えたいところです。レンタルオフィスやコワーキングスペースであれば、オフィス家具からコピー機、Wi-fi、会議室などビジネス環境が整っているため、一から設置する手間が省ける上、初期費用が抑えられるというメリットがあります。
また、短期でサテライトオフィスを置きたい場合にも必要な期間に必要なスペースだけ借りられるので無駄がありません。ほかにもカフェテリアやラウンジなどが設置されているなど、独自のサービスが用意されている場合もあり、社員の働く意欲の向上につなげることもできます。
国や自治体が行っている制度もチェック
費用をできるだけ削減しつつサテライトオフィスを設置したい場合や、テレワークの実施で悩んだときには、以下のような国や自治体の制度を活用する方法があります。
テレワークについて無料相談などの支援
厚生労働省「オンラインによるコンサルティング」
テレワークに取り組む企業に対してテレワークに関する人事・労務管理を十分に理解している専門家がコンサルティングを行っています。
埼玉県「テレワークポータルサイト」
サイト内で県内のサテライトオフィスを紹介しているほか、起業にアドバイザー派遣事業も行い、テレワーク導入・定着に関する相談にものっています。
おためしでサテライトオフィスを体験できる制度
総務省「おためしサテライトオフィス」
都市圏の企業を対象に実施しているおためしサービスです。サテライトオフィスの誘致をしたいと考えている自治体にあるサテライトオフィスを、3日以上おためしで利用することができます。
地方自治体が行う助成金や補助金制度
東京都「スムーズビズ」
東京都では新しいワークスタイルを推進する取り組み「スムーズビズ」の中でサテライトオフィス設置等補助事業を行っています。サテライトオフィスの整備・改修に関する費用や、運営費に関する補助が受けられます。補助金限度額は整備・改修費が1,500万円(※2,000万円)、運営費は600万円(※800万円)となっています。
※保育所を併設または年間を通じて利用者のスキルアップなどを図る事項を実施した場合
神奈川県「神奈川県テレワーク導入促進事業費補助金」
パソコンなどの端末、ソフトウェア、周辺機器の購入費用など、テレワーク導入費用に対して上限40万円を補助しています(令和3年分の募集は終了しています)。
山梨県「山梨県産業集積助成金 オフィス移転等に対する新たな助成制度~立地するなら やまなし~」
新たに県内にオフィスを設置した企業に、設置費用などの経費を助成しています。助成内容は、取得の場合「土地分を除く投下固定資産額」の10%、限度額は1,500万円、賃借の場合は賃貸の2/3、限度額年500万円(最大3年間)です。
ほかにも、自治体ごとに助成・補助金をはじめとしたサポート制度を設けている場合があるので、サテライトオフィス設置時にはホームページなどで確認してみてください。
5.サテライトオフィスをご検討の企業様へ、TKPが新しい働き方を支援します
TKPはサテライトオフィス実現のための施設、サービスを幅広く用意しています。事例とともにTKPのレンタルオフィスやコワーキングスペースについて紹介します。
サテライトオフィス導入事例
TKPでは大人数利用ができるレンタルオフィスの導入事例を紹介します。サテライトオフィスとして以外にも、オフィス移転時の仮オフィスとして活用された導入事例もあります。
A社の場合
本社のオフィス移転に関連して一定期間、TKPのレンタルオフィスをサテライトオフィスとして活用しました。100名以上の利用でしたが、人数分のネット回線のほか、コピー機なども完備され、入居して即、通常業務を行うことができました。
B社の場合
営業部門で利用するためにレンタルオフィスを低コストで契約しました。電源やWi-Fiなどインフラが整いセキュリティも万全で、安心して利用ができました。
全国に拠点を多数展開するTKPならではのサービス
TKPならば日本全国にレンタルオフィスがあるので、都市型、近郊型、地方型いずれも対応ができます。長期のレンタルだけではなく、プロジェクトごとの短期オフィスとして活用していただくのにも最適です。
礼金、敷金、保証金も不要で、インターネット回線もあらかじめ付いているので入居してすぐに業務を開始できます。
TKPのレンタルオフィス、コワーキングスペース、およびサービスには以下のようなものがあります。

TKPのカスタムオフィス
1カ月から利用できるのでプロジェクトごとに借りるのにも適しています。敷金、礼金は不要で、コストを抑えて運用することができます。イージーオーダー型ですでに設備が整っていますが、必要な設備をカスタマイズでオーダーすることもできます。レンタルオフィスと、コワーキングスペースがあります。
また、サテライトオフィス開設にともなってテレワークやBCP対策を行いたい場合の各種サービスや、朝礼やミーティング用スペースのレンタルなども行っています。
6.まとめ
サテライトオフィスの利用はワークライフバランスの向上が実現できるなど、働き手にとってメリットが大きいとされていますが、企業側にとってもオフィス機能を分散させることで災害時のリスクに備えられるなど数々のメリットがあります。初期費用が少ないレンタルオフィスやコワーキングスペースを利用することで、低コストでの実現も可能です。
気になる人はぜひ、TKPのレンタルオフィス、コワーキングペースについてもチェックしてみてください。